【カナタ電話第2巻第4号】

キーワード:‘'逆行同化

Q:(第2巻第4号:1992年冬)‘아지랑이-아지랭이’,‘멋쟁이-멋장이’等に関連して、‘’逆行同化の認定可否は多くの混乱をもたらしています。確実に区分できる方法は無いのでしょうか。
A:’標準語規定’第9項は「‘’逆行同化現象による発音は原則的に標準発音として認めないが、次の単語はそのような同化が適用された形態を標準語とする。」として‘풋내기’,‘냄비’,‘동댕이치다’等を例に上げています。
 ところで,‘付則1’では、‘’逆行同化が起こらない形を標準語とした例として‘아지랑이’を挙げており,‘付則2’では,「技術者には‘−장이’,その他は‘−쟁이’がつく形を標準語とする。」と規定しています。ですから,‘미장이’,‘유기장이’,‘멋쟁이’,‘소금쟁이’となるのです。また,を作るのを仕事にする人は‘갓장이’,を格好よく被る人は‘갓쟁이’になるのです。

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キーワード:‘웃-, 위-, 윗-',上

Q:(第2巻第4号:1992年冬)「上」の概念で使われる‘',‘',‘' の使い方が難しすぎます。簡単に区分できる方法はありませんか。
A:「標準語規定」第12項は、"「」及び「」は名詞「」に合わせて「−」に統一する。"と規定しています。ですから「윗-넓이, 윗-눈섭, 윗-니, 윗-몸」が標準語です。しかし、「但書1」で"濃音や激音の前では「−」とする。"としていますから「위-짝, 위-쪽, 위-채, 위-층」が標準語となります。また、「但書2」では"「上下」の対立の無い単語は「−」と発音される形を標準語とする。"と規定しているので「웃-국, 웃-기, 웃-돈, 웃-어른」等が正しい言葉となるのです。

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キーワード:‘듯 하다'か‘듯하다'か

Q:(第2巻第4号:1992年冬)‘변덕이 죽 끓듯 하다'では「듯 하다」を付けて書かなければなりませんか。それとも分かち書きしなければなりませんか。
A:まず,「」と「하다」が続いて出現する構成は,韓国語では二種類あることを理解しなければなりません。一つは補助用言として処理されるもので,「오늘은 좋은 일이 있을 듯하다」「오늘은 조용한 듯하다」という用例で見られるように,冠形形語尾「-ㄴ, -ㄹ」の後にきて推測の意味を持つものがあります。このような場合の「듯하다」は、一つの補助用言ですから付けて書かなければなりません。もう一つは動詞の語幹の後で語尾として使われて比喩の意味を表すものです。この場合の「듯 하다」における「」は明らかに語尾ですから「끓-」の後に付けて書かなければなりません。その後にくる「하다」は語尾の後にくる要素ではないので、付けて書く理由がありません。したがって、この場合の「듯 하다」は分かち書きしなければなりません。「변덕이 죽 끓듯 하다」での「듯 하다」がこれに該当します。
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キーワード:語幹の名詞形,만듦만듬

Q:(第2巻第4号:1992年冬)‘만들다'を名詞形にするとき,「만듦」と書かねばならないのか「만듬」と書かねばならないのか分かりません。
A:만드니, 만든, 만듭니다」と書くのを書くのを見ると「만듬」と書くのが正しそうに見えます。しかし、「만드니, 만든, 만듭니다」と「만듦」とは性格が異なります。「만드니, 만든, 만듭니다」は常に「」が脱落して発音されるので,「」が脱落したまま書いて何の問題もなく,したがってハングル正書法でそう書くよう規定しているのです。しかし、「만듦」は、単独で発音したり、後に子音で始まる助詞がくると「」が脱落しますが、後に母音で始まる助詞、即ち「」、「으로써」等がくると「」がそのまま発音されます。したがって「만듦」と書くのが語法に合うといえます。
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キーワード:않다 の使い分けについて

Q:(第2巻第4号:1992年冬)「않다」と「」の用法と表記について正確に知りたいと思います。
A:않다」は動詞や形容詞の下について否定の意味を付け加える補助用言「아니하다」の縮約形であり、「」は、用言の上について否定または反対の意味を表す副詞「아니」の縮約形です。したがって、「철수가 먹지 않았다, 영희는 예쁘지 않다」のように、動詞や形容詞に付け加えてともに叙述語を構成する場合は「않다」を用い、「안 먹는다, 안 어울린다」のように叙述語を修飾する役割の場合は「」を用いなければなりません。
 一般的に『語幹の末音節「」の「」が省略されて「」の次の音節が激音になる場合は激音に書きます(ハングル正書法第40項)』が、「하다」が付いた他の用言、例えば「간편하다」の場合は「간편하니」のみ可能で「*간펺으니」のような形が不可能であるのに比して、「아니하다」は「아니하니, 않으니」がどちらも可能なことから「않다」は一つの別の言葉として固定したものと判断されます。したがって、ハングル正書法第40項付則1(「」が語幹の末音として固定したものはパッチムとして書く。)に従ってパッチムとして書きます。「아니」を「」に書くのはハングル正書法第32項 『単語の終母音が縮約されて子音のみが残ったものはその前の音節のパッチムとして書く。』 という規定に従って「」と表記できるためです。「아니하다」は、副詞「아니」と用言「하다」が結合したものなので「아니」をその縮約形「」で置き換えるのは可能なようですが補助用言として使われる「아니하다」は一つの単語として固定したものであるため、「안하다」の形で使うことはできません。必ず「않다」または「아니하다」の形で使用しなければなりません。
 しばしば「않다」と混同して使われるものに「아니다」があります。「아니다」は叙述格助詞「이다
に対応する否定表現であって,「이다」が使われた文を否定する時に使用される形容詞で,補助用言ではなく本用言です。従って「本動詞+」に連結する補助用言として「아니다」を使ってはいけません。「아니다」は「A가 B가 아니다」のような構成で使用できます。
【注】日本における韓国朝鮮語学では,通常「指定詞」という用語を用いています。(油谷)
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キーワード:이렇다이러다 の違いについて, 変則

Q:(第2巻第4号:1992年冬)「이렇다」と「이러다」の差異について知りたいと思います。
A:両単語とも正しい表記です。但し「이렇다」は「이러하다」の縮約形で,「これと似ている,このような様子になっている」という意味であり、「이러다」は「이렇게 하다」とか「이리하다」という意味を持った言葉で,意味や文法的機能が「이렇다」とは異なります。「이렇다」は形容詞であるのに比べて「이러다」は全体が動詞のように機能します。
 ところで「이렇다」は 不規則用言で,その活用が極めて特異です。韓国語では子音で終わる語幹に「ㄴ, ㅁ」で始まる語尾が続く場合、大部分「」が介入するのに比して,「이렇다」は「」が介入せず,むしろ「」が脱落して「이러니, 이럴, 이러면, 이럽니다(이렇습니다)」のように活用します。「이러다」は規則活用をして「이러니, 이럴, 이러면, 이럽니다」と書かれます。結局、「이렇다」と「이러다」は、基本形は異なるが活用する時の形態が同一です。このような理由で文章の中で上記の形が出てきた場合はその意味を綿密に考えて見なければなりません。
 韓国語で「」で終わる用言の中で「이렇다」のように、不規則活用をするものには「노랗다, 파랗다, 발갛다, 동그랗다」等のように「」で終わる形容詞があります。「」で終わっていても「낳다」のような動詞や形容詞「좋다」等は不規則活用をしません。したがって、これらは語幹と語尾の原型を維持して「낳으니, 낳을, 낳으면, 낳습니다」のように書かねばなりません。但し、動詞「놓다」は一般的に規則活用を示しますが,語尾「-」や先語末語尾「-」と結合する場合は「놔, 놔라, 놨다」のように縮約することがあります。不規則用言は語尾「-아/어」や「-았/었-」が結合する場合、活用様相が特異です。「이렇다」の場合「이렇다」に「-아/어, -았/었-」が結合した「*이러어, 이러었다」のように書かず、「이러하다」に「-아/어, -았/었-」が結合した「이러해, 이러했다」が縮約した「이래, 이랬다」と書かねばなりません。
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キーワード:되라돼라 の違いについて

Q:(第2巻第4号:1992年冬)「되라」と「돼라」のどちらが正しい表記であり、また、理由は何ですか。
A:韓国語で「」と「」のように発音上区別されなかったり区別するのが難しい単語を表記するには、多くの混乱が起こります。上の質問もこのような類型の一つです。「되다」に命令形終結語尾が付く場合には「돼라」と書くのが正しい形です。韓国語の命令形語尾は「-어라」が一般的ですが,「-」が動詞によって変異して「(가)거라」や「(오)너라」と書かれることもあります。日常的な口語では「-」単独で語幹に結合できません。「되라」は語幹「-」に語尾「-」が直接結合した形態ですから誤りです。「-」に「어라」を結合させ「되어라」とするのが正しいのです。「돼라」は、ハングル正書法第35項(付則2)『「」の後に「-어, -었-」が合わさって「ㅙ, ㅙㅆ」となる場合には、縮約したとおりに書く。』という規定にしたがって「되어라」が縮約したとおりに書いたものです。副詞形語尾「-」や「」が先行する「-어서, -어야」のような連結語尾、或いは過去表示の先語末語尾「--」が結合した「되어, 되어서, 되어야, 되었다」を「돼, 돼서, 돼야, 됐다」のように書くのも全てこの規定に基づくものです。
 「보이다, 쏘이다」の縮約形である「뵈다, 쐬다」もやはり「되다」と同じ活用を示し,それぞれ「 봬, 뵀다, 쐐, 쐤다」のように書くことができます。但し「뵈다, 쐬다」の場合,「보여, 보였다, 쏘여, 쏘였다」とも書きますが、これらは「보이다, 쏘이다」に「-어, -었-」が結合した活用形に,ハングル正書法第38項『「ㅏ, ㅓ, ㅗ, ㅜ」の後に「-이어」が結合して縮約した場合には縮約したとおりに書く』という規定にしたがって表記したものです。「되다」はそれ自体が本来の語形であり「*도이다」という語は存在しないので,「되여」という活用形は持てません。したがって「되여, 되였다」と書くことはできません。
 ところで「할머니께서는 장차 훌륭한 사람이 되라고 말씀하셨다」という例でみられるように,命令の意味を持つ「-(으)라」が語幹に直接結合することもあります。この「-(으)라」は口語で聞き手を前に置いて話す場合には使えず、文語体や間接引用文(他人の言葉を間接的に引用する文章で,引用したことを表す語尾「」と引用動詞「하다, 말하다」等を持っている。)でのみ使用されるものです。この場合「되라」は「되어라」に置き換えられないため,「돼라」と書くことはできません。従って「되라」なのか「돼라」なのか区別し難い場合には、その言葉を「되어라」と置き換えられるかどうかを考えればよいのです。もしも「되어라」と置き換えられるならば「돼라」と書かねばなりません。
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