第95回例会

第95回例会を,以下の通り開催いたします.

[更新]参加申込フォームを公開いたしました.(2024/01/26)
[更新]プログラムが決定しました.発表要旨もあわせて掲載しています.(2024/01/18)

日時・場所

  • 開催日時:2024年2月24日(土)10:00〜
  • 開催方式:近畿大学(東大阪キャンパス・地図交通アクセス)G館401教室(対面)+オンライン(zoom)
  • 参加費用:会員無料,非会員500円

【重要】金沢大学で開催する予定でしたが,諸般の事情に鑑み,開催場所を変更いたしました.

参加申し込み

ご参加の際には,会員・非会員を問わず,参加申し込みが必要です.以下のフォームからご登録ください.懇親会も開催を予定しておりますが,懇親会のご出席についても,以下のリンク先フォームでご回答いただけます.参加申し込みの締め切りは【2月18日(日)18時まで】とさせていただきます.お早めにお申し込みください.

第95回例会参加申し込みフォーム

なお,非会員の方は,対面・オンラインの参加を問わず,以下のページから参加費500円をお支払いください.

非会員の参加費お支払いページ(Peatix)

プログラム

10:00~10:30開会挨拶,今後の学会運営とビジョンについて,分科会の紹介
10:40〜12:10【企画】講演・張素媛(国立国語院長,ソウル大学教授)
『국외 대학 한국어교육의 현황과 전망(海外大学の韓国語教育の現状と展望)』
12:10〜13:30昼食(80分)
13:30〜14:10発表1:劉卿美「フォーカス・オン・フォームを用いた外国語文法指導」
14:10〜14:15休憩(5分)
14:15〜15:05発表2:周賢熙・蔡榮姬「韓国語文化教材における文化語彙分析研究」
15:05〜15:20休憩(15分)
15:20〜16:00発表3:洪妍定・全相律・申知元「日本人韓国語学習者のための語彙教育について―初級単語帳の開発を中心に」
16:00〜16:05休憩(5分)
16:05〜16:45発表4:仲島淳子「「思う」に対応 する多様な朝鮮語表現の指導に関する考察」
16:45〜16:50休憩(5分)
16:50〜17:30発表5:奈良美香「 ICTツール「Kahoot!(カフート)」を活用した授業実践報告」
17:30〜17:40閉会挨拶
終了後,懇親会開催予定

発表要旨

  • 発表1:劉卿美(유 경미・長崎大学)
    「Focus on Form 을 이용한 외국어 문법지도/フォーカス・オン・フォームを用いた外国語文法指導」
    • 明示的な解説、機械的な練習中心の文法指導では、実際コミュニケーション場面で使える文法能力を身に付けることは難しい。なぜなら、学習者がたとえある文法項目の形式を正確に操作できたとしても、それがコンテクスト(文脈)の中で実際どのような意味で、いかに機能するかを理解するのが困難だからである。フォーカス・オン・フォームでは学習者に自然でリアルなコミュニケーションの機会を与える。学習者は与えられた目的(タスク)を達成するために、目標言語を使って未知の情報をやり取りする。その過程で学習者は文法項目の形式だけでなく意味や機能に気づく。この自発的な気づきが言語習得につながり、実際に使える文法能力、ひいてはコミュニケーション能力を伸長できるとされている。本発表では、発表者が大学の韓国語授業で実践してきたフォーカス・オン・フォームによる文法指導の例を報告し、その効果について発表する。
  • 発表2:周賢熙(주현희・国立釜慶大学)・蔡榮姬(채영희・国立釜慶大学)
    「한국어 문화 교재에 나타난 문화어휘 분석 연구/韓国語文化教材における文化語彙分析研究」
    • 韓国語教育における文化教育,特に文化語彙に含まれた社会文化的背景や象徴的意味を理解することは、コミュニケーション能力の向上とも密接な関連がある。文化教育の最小単位である文化語彙を学習し、これを実際の状況で自由に活用しなければならない。したがって本研究では、韓国語文化教材(韓国で発刊された文化教材3種と日本で発刊された文化教材3種)に収録された文化語彙を調べようと思う。まず先行研究の分析を基に文化項目の範疇を設定し、韓国語文化教材に収録された文化語彙を分類しようと思う。そして、分類した文化語彙の提示順序と頻度を分析しようと思う。 本研究の成果を韓国語教育用の文化語彙の選定と文化語彙の提示順序などの教育の優先順位を決定する際に、活用できることを期待する。そして文化語彙の範疇別、段階別内容に従って文化語彙を教育したり、教育に必要な語彙を加減することができると思う。
  • 発表3:洪妍定(홍연정・神田外語大学)・全相律(전상률・神田外語大学)・申知元(신지원・神田外語大学)
    「일본인 한국어 학습자를 위한 어휘 교육에 대하여-초급 단어장 개발을 중심으로/日本人韓国語学習者のための語彙教育について―初級単語帳の開発を中心に」
    • 本研究の目的は、「한국어 교육 어휘 내용 개발(1段階)」(강현화 외, 2012)をもとに日本人韓国語学習者に必要な語彙の数、関連情報の提示について検討し、日本人学習者向けの語彙教育の内容を提案することである。近年、日本の韓国語教育は韓国の研究成果を反映しつつ、日本人学習者の特定性を考慮した教材開発が行われている。その結果、文法項目の提示順に対するばらつきは少なくなっている一方、語彙の面では教材ごとの差が大きい。また、日本語を中心とした単語の提示や試験対策に偏っている点などが限界として考えられる。そこで本研究では、試験対策のみならず、交流・留学といったコミュニケーション能力の向上を考慮した単語帳開発のプロセスを中心に語彙教育内容について検討した。具体的には、日本人韓国語初級学習者向けの語彙選定、発音情報、和訳、類似語及び反対語などの提示基準、例文作成における考慮事項について考察を行った。
  • 発表4:仲島淳子(関西大学大学院外国語教育学研究科博士後期課程)
    「「omou」에 대응하는 다양한 조선어 표현의 지도에 관한 고찰/「思う」に対応 する多様な朝鮮語表現の指導に関する考察¥
    • 日本語母語話者が日常的によく用いる「思う」という表現は、多様な朝鮮語で表 わされる。本発表では、この「思う」に該当する多様な朝鮮語の表現について、韓国の国立国語院が構築したコーパス資料「21세기 세종계획」の「한일 병렬 말뭉치」から収集した表現を語用論的に考察し、用途別に分類したものを用い、指導や学習方法について提案する。具体的には、「21세기 세종계획」の「한일 병렬 말뭉치」を用いて用途別に分類した表現が、朝鮮語母語話者の話し言葉、書き言葉の中でどのような頻度で使用されているのかを「국립국어원 비출판물 말뭉치(버전1.0)」を用いて調査し、日本語母語話者の朝鮮語学習者に対し「思う」を指導する際の順序や留意点について提示する。
  • 発表5:奈良美香(下関市立大学 他)
    「ICT도구 ‘Kahoot!’를 활용한 수업 사례/ICTツール「Kahoot!(カフート)」を活用した授業実践報告」
    • 教育の情報化が推進されている現代社会で、学習活動もICTツールを活用した授業展開が実施されている。教育用クイズアプリ「Kahoot!(カフート)」は、ゲーム感覚で楽しみながら学習意欲を高めることから小学校の教育現場でも活用されているツールである。そこで韓国語学習にも有用だと考え、授業で取り入れてみた。本発表では、「Kahoot!」を活用した授業実践事例を紹介する。2023年度の後期よりA大学・B大学・C大学の1年生の韓国語授業にて、「Kahoot!」を活用してのグループ活動型課題を実施した。学生自身がクイズと解説スライドを作成し、授業で発表する形式である。発表後は自己評価及び相互評価をFormsにて実施した。3つの大学にて回収した回答結果から、「Kahoot!」を活用したグループ活動型課題の試みからどのような効果が得られたのかについて報告する。