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1.時刻:13時~17時
2.会場:キャンパスプラザ京都第4講義室
3.内容:
◎話題提供1:金京愛「-고 と-어の意味機能について」
本発表では、韓国語の-고と -어、両形式の意味機能や使い分けの基準について考察を行う。
まず、語学の学習書や文法書における-고と -어の基本的な意味機能を確認した後、そこで扱って
いない例文などを中心に問題点(例えば、-고が理由の意味をあらわす場合、-어が時間の順序の意
味をあらわす場合など)を取り上げる。
例文は韓国語学習者による誤用なども取り上げて行くつもりである。
また、-고と -어が同じ機能をもつとして用いられているように見える場合があるが(例えば、
책을 [가지고/ 가져] 가서 할머니께 읽어 드려라.)、-고あるいは-어どちらか一方の形式のみを
許す場合とはどのように結びつけて考えれば統一的な説明ができるのかをみてゆく。
◎話題提供2:油谷幸利 「朝鮮語Web辞典について」―用例辞典から学習辞典へ―
本発表者は2007年4月より朝鮮語Web辞典(以下では本辞典)の開発を開始し,その設計思想を
油谷幸利(2008)で詳細に述べた。2009年3月現在,小学館『朝鮮語辞典』の重要語句を中心に
7000項目を登録済みである。最近になって,本辞典をさらに発展させるために学習辞典としての
性格を付与するという方針を新たに建てた。
本発表では学習辞典としての性格に焦点を当てて本辞典の特徴について述べる。
参考URL=http://paranse.la.coocan.jp/
1.時刻:13時~17時
2.会場:キャンパスプラザ京都 2Fホール
3.内容:
◎話題提供1:
発表者:金世朗(新潟大学,新潟県立大学)
内容:初級学習者のための韓国語授業模型-授業事例を中心に-
◎話題提供2:
発表者:芦田麻樹子(旧兵庫県立三田西陵高校),孫永善(旧神奈川県立川崎高校)
内容:高校韓国語授業の教室活動関連授業報告
朝鮮語教育研究会は2009年3月で設立10周年を迎えました.
これを記念して,来る9月6日(日),東京大学で10周年記念研究会を開催します.
普段は関西を中心に活動していますが,この機会により広く,より多くの方々に私たちの
活動を知っていただき,朝鮮語教育研究への関心を高め,ひいては日本における
朝鮮語教育の質的向上をめざしたいと考えます.
テーマ:朝鮮語教育の理論研究,実践報告,新しい教育法の提案など
◎時刻:9時30分~17時(予定)
◎会場:東京大学駒場キャンパス(学術交流ホール)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam02_01_32_j.html
◎内容:
※研究発表のレジュメは会員コーナーからダウンロードできます。
9:30-9:45 開会のあいさつ
【研究発表】
(1) 9:45-10:25 ACTFL OPIを活用した韓国語口頭能力テストの提案
ソウル大学師範大学院博士課程:中川正臣
筆者*1は日本の大学で韓国語を教える教師17名(19教育機関、44科目)を対象に、到達度テストとしての口頭能力テストの実態調査(設問紙調査)を行った。その結果、約半数(現在も調査進行中)の科目において、様々な方法で口頭能力テストが実施されていることが分かった。一方、教師が口頭能力テストの必要性を認識しながらも、学習者数や時間的制約、学習者の韓国語レベルの低さなどにより実施に至っていないことも明らかになった。本稿では、上記実態調査の結果と外国語評価研究の動向を踏まえ、「日本の大学における初修外国語としての韓国語教育」に、ACTFL OPIを基盤とした口頭能力テストを提案し、到達度テストへの具体的な適用や期待される効果について述べる。
(2) 10:25-11:05 入門期に、文字なしで、どんな授業が可能か
立教新座高校・外語ビジネス専門学校:長渡陽一
入門期に、文字なしで韓国語の授業をすることはすでに「文字は“教え”るな」(2007)
、「日本人の外国語コミュニケーション能力向上のために」(2007)などで提案した。それは、1)まったく見知らぬ言語の音と文字を同時に課すことは学習者に大きな負担であること、2)さらに韓国語は、音素と異音の関係が日本語などとも著しく異なり、音韻交替が頻繁で音と文字が一致しないことが多いことが理由である。
しかし、教師はなかなか文字なしの授業を試みることができないでいる。それは、リスクが大きい、宿題や成績に反映する方法が確立していないなど、いろいろな理由がある。そこで、文字なしで行う5回の授業のシラバスを紹介しようと思う。これを参考に、授業形態のうちの一つとして、今後、試みる材料になると期待する。
文字なしで行うのは、入門の最初の5回だけである。そこで習得するのは、1. あいさつと自己紹介、2. 食べたもの、3. 行った所、4. したこと、5. 今日行く所である。過去形を早くに導入するのは、具体的な体験を表現させるためである。習得単語数は一課に10ほどである。5回の宿題、成績などの問題、また直後からの文字導入方法にも触れるつもりである。
~15分休憩~
(3) 11:20-12:00 現代朝鮮語のアスペクト ―アスペクトの概念確立のための理論的研究―
松山大学:金美仙
現代朝鮮語のアスペクトの研究は,動詞の語彙的な意味やいわゆる補助用言の研究,構文レベルでの研究など,多様な観点から行われてきた。しかし,アスペクトのとらえ方や概念規定などは必ずしも確立しているとは言えない。たとえば,アスペクトを文法的なカテゴリーに規定するのであれば,その文法範疇を構成する形式,つまりアスペクト体系の骨格を成す形式は何か,またそれらの形式はどのような対立関係にあるかなどが示されなければならない。しかし,アスペクトを文法的なカテゴリーととらえながらも,文法的なパラダイムを形成しない形式をもアスペクトと同レベルで扱っている研究も少なくない。本稿では,アスペクトの概念の確立や範疇規定のための理論的考察を行う。そして,考察の過程で浮かび上がってくる,アスペクトとアクツィオンスアルトの違い,文法的な意味と語彙的な意味の区別といった問題についても言及する。
(4) 12:00-12:40 日本語の「ていく/くる」と韓国語の「e kata/ota」の多義構造
昭和女子大学:徐珉廷
本研究では、認知言語学の立場から日本語の「ていく/くる」と韓国語の「e kata/ota」の多義構造を分析し、その結果をもとに日本語母語 話者の学習者に補助動詞「e kata/ota」をいかに教えるかについて提言する。まず、本動詞「来る」「ota」は〈直示的〉な用法しかないのに対し、「行く」「kata」は〈直示的〉〈非直示的〉な二用法があるが、この特徴は補助動詞「ていく/くる」と「ekata/ota」の場合にも平行していることを指摘した上で、それぞれの意味をイメージ・スキーマで提示する。そして「ていく/くる」と「e kata/ota」の用法を空間用法と拡張用法に分け、どちらの用法がより多様化されているか、使用頻度の差はあるか、それぞれの用法がどれくらい遡るかについて議論していく。そして、このような差異が見られるのは、日本語話者と韓国語話者の〈事態把握〉の認知スタンスが異なることから起因すると考える。
~1時間休憩~
(5) 13:40-14:20 実践報告「短文作りに見る誤用の傾向についての分析と、対策に関する提案」
広島国際学院大学:崔泰順
・目的~教科書の文法を積み上げ方式で教えて来た、カルチャー学習者に対し、復習として短文を作らせた結果、共通した誤用が認められた。そのすべての内容と、原因を分析することにより、日本語母語話者の共通した誤用を日韓対象言語学の視点でとらえ、より自然で、正確な表現を身につけるよう指導するための参考資料とすることにある。
・経過報告~対象者(レベルと人数)、使った教科書、短文数(約3000文)
・分析方法~1、文法的側面(助詞、語尾)での分析。2、日本語の直訳による単語や表現の間違い
・分析結果~誤用例の一覧、頻度と原因
・課題と教科書に対する提案
・より、実践的で効率的な授業にするため、よく使う日常用語、会話文でありながら、間違いやすい表現を集めた副教材を作成し、授業にいかす事が必要と思われる。
・対照言語学に基づき誤用を解説した著書もあるが、教科書と別個である。講師、学習者の双方に望ましい教科書についての問題提起。今まで使ってきた約10種類の教科書それぞれの特徴に対する意見を述べながら提案。
(6) 14:20-15:00 韓国語学習者作文コーパス(KC Corpus)について
国際交流基金:李在鎬,山口県立大学:林炫情,京都大学[院]:浅尾 仁彦,九州大学:曺美庚
本発表は、林(他)(2008)が構築した、『韓国語学習者の作文コーパス(以下、KC
Corpusと呼ぶ)』について紹介し、韓国語教育関係者にその活用を促すことが目的である。KC Corpusは、構築当初よりWEB公開を前提とし、データ収集を行っている。日本の大学で韓国語を学習している学生の作文データが格納されており、三つのデータベースで構成されている。1)学習者の韓国語作文、2)学習者自身による母語訳(日本語対訳)、3)学習歴などの(学習者の)属性情報である。
KC Corpusの特徴は、日本語母語話者の教室学習によるデータベースとして産出に与えるバイアスが特定しやすい。そのため、誤用分析に適したコーパスである。
複数の言語情報(形態素情報、誤用タグ、添削情報)が付与されているので、分析結果を容易に教育現場へのフィードバックできるとともに、研究・教育者の様々な利用目的に応じた情報抽出が可能である。そして、ウェブ経由で公開されているので、コーパスツールに不慣れな人でも簡単に利用できる。
~15分休憩~
(7) 15:15-15:55 プレゼンテーション活動を用いる能動性発揮の授業へ
九州大学:曺美庚
「大学における第二外国語(韓国語)の学習時間はかなり限られている。そのため、大学教養教育としての第二外国語授業のあり方や授業手法の改善がとわれている。ここでは、2年次における韓国語学習にプレゼンテーション活動を導入することによって、当該言語や文化に対する知識や教養を総合的に深めることができる能動的かつ高次学習活動を目指す授業の試みを紹介する。
発達しているICTを活用しながら学生が現象・データ・情報・映像などの知識のインプットを行い、クリティカル・シンキングに基づいて読解・作文・意思決定を行い、プレゼンテーションという形でアウトプットさせることで、情報収集・読解・作文・発表の総合的学習活動が可能と考える。」
(8) 15:55-16:35 コロケーション関係でみる日本語と韓国語の語彙の対応様相
東京外国語大学:南潤珍
本発表は日本語と韓国語の語彙の対応関係のうち、日本語と韓国語の単語が1:多の対応を見せるもの、すなわち1つの日本語単語に複数の韓国語の単語が対応するケースを中心に、対応する複数の韓国語語彙の用法を明らかにすることを目的とする。
研究の進め方は以下のとおりである。
1)対象を定める:既存の日本語頻度調査で頻度の高いと判明された語彙のうち、韓国語と1:多の対応を見せる語彙を動詞、形容詞、形容動詞それぞれ1つずつ選ぶ。対応関係の調査においては日韓辞書と日韓翻訳テクストを参考する。
2)翻訳テクストでない日本語のテクストの中で各語彙のコロケーション関係を調査する。
:新聞記事、小説などジャンル別に分けて調査する。
3)翻訳テクストでない韓国語のテクストを対象に各語彙のコロケーション関係を調査しそれぞれの語彙の用法を整理する
4)2)と3)の結果を比較・検討する。
こうした調査結果を日本語母語話者の韓国語表現(書く、話す)能力の向上に役に立てる方案の1つとして日韓辞書の在り方を考察する。
16:35~ 閉会のあいさつ
★懇親会
例会後に同じ構内にあるファカルティハウス1階のフランス料理店「ルヴェ ソンヴェール」で懇親会を開きました。
1.時刻:13時~17時(予定)
2.会場:同志社大学寒梅館(地下会議室)
3.内容:
◎話題提供1:「情報処理分科会の活動方針とCALL教材の作り方」
―日本語プログラミング言語なでしこを利用して―
同志社大学 油谷幸利
前半は第1回情報処理分科会の席で検討された活動方針の紹介です。
後半は情報処理分科会の活動の一環として行なう講習会に関するデモンストレーションです。
◎話題提供2:「言語研究のためのサーチエンジンによる用例検索」
名古屋大学大学院 大名力
英語・日本語・韓国語を例に,Google などのサーチエンジンで用例を検索する
方法について説明します。
具体例を基に,クエリの文法 (フレーズ検索,ドメインの指定の仕方,など),
用例・ヒット数を研究で利用する際の注意点についてお話しする予定です。
◎時刻:13時~17時
◎会員総会
(1)2009年度活動報告
(2)2010年度活動方針(案)
(3)大学等韓国語教師研修会について
2010年度は名古屋にて実施
◎内容:
話題提供1:金美仙(松山大学)
「学習内容の定着を実現する授業例」
奇抜な教授法や教室活動などの紹介ではなく,最も基本的で且つ
重要であると思われる,学習した内容をいかに覚えさせるかという
点に重点をおいた授業例のご報告です。
話題提供2:Lynne E. Riggs(人文社会科学翻訳センター代表)
「翻訳という営み」
日英語の翻訳に長年携わってきた日英翻訳家の「プロ」として志す
ところと価値観について述べ、「理解」し「伝える」営みとしての翻訳に
何が必要かを、出席者とともに考えたいと思います。
◎会場:同志社大学寒梅館(地下A会議室)
午前中の分科会:2A会議室(類似表現),2B会議室(第二言語習得論),2C会議室(文化論),6B会議室(情報処理)