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活動記録(2013年・2014年)


第57回例会 2013年3月 九州産業大学

第58回例会 2013年6月16日(日) キャンパスプラザ京都

第59回例会 2013年9月07日(土)新潟県立大学

 -会場:新潟県立大学 (〒950-8680 新潟県新潟市東区海老ケ瀬471番地 )

 -日時:2013年09月07日(土)

  午前 ―分科会―(午前10時~12時)

   第36回 第二言語習得論分科会 1250講義室
   第30回 類似表現分科会 1251講義室
   第41回 文化論分科会 1253講義室
   情報処理分科会 (都合によりお休みとさせていただきます)

  午後 ―例会― (午後1時~5時30分) 1257講義室

 発表1: 油谷幸利(同志社大学)「朝鮮語文のレベル分析について」

 講読の素材を一定の基準に基づいて作成するのは、思いの外時間が掛かるものである。本発表者は語彙レベルに基づいて文章の難易度を判定するシステムの原型を開発中であるが、会員諸賢のご批判を仰ぐことにより、使い勝手を改善したいと考えている。システムの概要は以下の通りである。①文章を入力して分析ボタンをクリックする。②文章が形態素分析され、見出し語・意味・レベルが表形式で表示される。③次の段階として、品詞別表示やレベル別表示が選択できる。④見出し語にはWEB辞典へのリンクが貼ってあるので、見出し語をクリックするだけで、より詳細な語義解説と用例が確認できる。⑤分析結果はそのままエクセルシートに貼り付けることができる。⑥語彙データベースに登録されていない形態素には未知語というラベルが付される。⑦ユーザーは未知語を語彙データベースに登録できる。


 発表2: 池貞姫(愛媛大学)「戦後占領期における朝鮮人学校教科書について」-プランゲ文庫所蔵の資料を中心に-

 1945年8月、日本は終戦とともに、 GHQ(連合国軍総司令部)の占領下に置かれることとなった。GHQは、占領政策の一つとして、全ての日本の出版物を検閲対象とした。戦後残った在日朝鮮人による出版物も勿論例外ではなかった。これらの検閲資料は、現在アメリカのメリーランド大学内にあるプランゲ文庫に収められている。本発表では、プランゲ文庫に収められた朝鮮語の出版物、特に在日朝鮮人児童のための教科書群(1946-1949)の内容と実態、またその特徴について述べることとする。戦後日本における朝鮮語教育史を語る上でも、この時期の民族教育は少なからず重要な位置を占めるものと思われる。


 発表3: 張河林(東京大学韓国朝鮮文化研究科言語社会専攻 博士課程1年)

「小説を用いた韓国語教育ー小説テキストの有効性と実例の選定」
 非母語話者を対象とする外国語教育において小説テキストは教育素材として有効であると言われながらも、韓国語教育においてはあまり用いられて来なかったのが現状である。特に現代小説テキストを活用して韓国語教育を行っている実例はほぼ見当たらない。したがって、本研究では2000年以降デビューした韓国の現代作家6人の2000年代の作品(長編小説12作、短編小説122作)を対象として、選定基準を定め検討を行い、韓国語教育に活用しうる小説テキスト4つを選定した。選定したテキストは語彙面・文化面に分け分析したが、語彙面の分析においては「意味領域(semantic field)」理論を用いて各小説に登場する名詞をカテゴリーとしてまとめる作業を行った。4つの小説の中、1つの作品を選定・教案を作成し、その教案に基づいて韓国語学習者を対象とし模擬授業を行った。民団品川支部韓国講座の上級学習者7名を対象とした、2回(90分X2=180分)のデーモンストレーション授業であったが、意義のある結果を得ることができたと思われる。今後も小説テキストを用いた韓国語教育をテーマとし研究を続けていきたいと考える。

   懇親会(新潟駅の近くにて,午後6時~8時)
   新潟駅近くの「いろはにほへと」にて。新潟の旬の味覚を楽しみました。

   新潟県立大学へのアクセス
(会員の方にはMLでバスの時刻など,詳細な案内を送信済みです)

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第60回例会 2013年12月7日(土) キャンパスプラザ京都

第61回例会 2014年3月17日(月) 九州産業大学

 -会場:九州産業大学2号館4階W棟
アクセスマップ
 -日時:2014年3月17日(月)
1.午前の部(10時~12時)
 ◎第32回 類似表現分科会 会場:2W405教室
 ◎第38回 第二言語習得論分科会 会場:2W406教室
 ◎第38回 文化論分科会は休会
 ◎第16回 情報処理分科会 会場:2W408教室
2.午後の部(13時~17時35分) 会場:2W402教室
 ◎会員総会:(13時~13時20分)

 ◎発表1(13時20分~14時35分:質疑を含む)
  発表者:朴 善婤(박선주)名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士後期課程D3
  発表題目:「韓国独自の2字漢字語の語彙的特徴をめぐって」
       한국고유의 2자한자어의 어휘적특징
  発表要旨:
  本研究では、現在韓国で最も使用頻度が高い2字漢字語から上位2,000語のうち、日本語に存在しない漢字語を対象とし、語彙性特徴を明らかにすることを目的とする。さらに、語彙教育の観点から教育現場での活用を試みる。
  韓国語では、名詞が用言として使われるにおいて、動詞も形容詞も両方-hadaが付加される。そこで、韓国語の高使用頻度2,000語のうち韓国独自の漢字語を抽出し、これらの漢字語の語彙性特徴を分析した。まず、2,000語のうち日本語では使用しない漢字語を抽出した結果、80語であった。これらの80語を対象とし、名詞である2字漢字語に用言の語尾が付き、動詞として活用される語29語であり、形容詞として使われる語は4語であった。また、動詞の場合は、-hadaだけではなく受動態である-doedaの付加も考慮にいれ、各漢字語の品詞性を調べ、統語的な特徴を分析し考察を行った。

 ◎発表2(14時50分~16時05分:質疑を含む)
  発表者:山下藍(宮崎公立大学)
  発表題目:学習動機を高めるゲーミフィケーションの試み
      ―授業改善前後の比較―
  発表要旨:
  山下(2013)ではゲーミフィケーション(Gamification)導入後の学習効果を検証した結果,応用力の習得に課題を残し,動機づけも,特に「学習者のニーズ」と「学習内容の理解」に関する評価が低かったことを明らかにした。本論は,この問題点の分析を行い,ゲーミフィケーション要素の改善を行うことを目的とする。そして,改善前後の動機づけと学習効果の比較を行い,その効果と改善点の分析を行う。問題解決のために,ゲーミフィケーションの基本4要素である「学習目標の可視化」「現在位置の可視化」「フィードバック」「報酬」に焦点を当てた授業改善を行い,改善前後の動機づけと学習効果の比較を行った。

 ◎発表3(16時20分~17時35分:質疑を含む)
  報告者:油谷幸利(同志社大学)
  実践報告:同志社大学における朝鮮語教育」
      ―17年間を振り返って―
  発表要旨:
  同志社大学における第二外国語としてのコリア語(2013年度より,それ以前は「ハングル」)教育は1997年に正式に発足した。入門クラスでは発足当初から統一教科書を使用し,また2007年からは応用1および応用3のクラスでも統一教材を使用するに至った。
  成績に関しては発足当初はクラスごとに行なっていたが,2001年から入門クラスにおいて統一テストの実施を開始した。平常点(担当者が評価する)と統一テストとの比率は2001年には5:5であったが,現在は3:7である。また,応用クラスにおいても2007年の統一教材採用と同時に統一テストを開始した。
  本報告では,受講者の動向や統一テストの出題傾向および正解率なども交えて,同志社大学における17年間の朝鮮語教育を振り返ってみたい。

◎懇親会:博多駅筑紫口 「鹿児島キング」(18時半~20時半)

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第62回例会 2014年6月29日(日)キャンパスプラザ京都

 -会場:キャンパスプラザ京都 
1.午前の部(10時~12時)
第2演習室、第3演習室、第4演習室、第2会議室
 ◎第33回 類似表現分科会 会場:
 ◎第39回 第二言語習得論分科会 会場:
 ◎第38回 文化論分科会
 ◎第17回 情報処理分科会 会場:
2.午後の部(13時~17時35分) 会場:第2講義室
 ◎会計報告,会計監査報告
 ◎朝鮮語教育研究会の学会化について

 ◎発表1:石田美智代(慶應大学他非常勤講師)「韓国語の複合動詞の接合度について」
 発表要旨
 韓国語では「連用形+動詞」の形のものを「合成動詞」と呼んでいるが、広義の合成語は、複合語と派生語を含む。
 複合語は前項と後項の要素が語基結合したもので、派生語は構成要素が接辞であるものをいうが、
韓国語で「合成動詞」と呼ばれているものが、合成語である条件を満たしているのかどうか検証を試みる。
 服部四郎先生の付属語・付属形式の考え方をもとに、前項・後項要素の接合度について考察を行った。

 ◎発表2:清水孝司(大阪日本語教育センター)「韓国語の『-ㄴ것이다(-n kesita)』と日本語の『のだ』の対応関係」
 発表要旨
 韓国語の「-ㄴ것이다(-n kesita)」と日本語の「のだ」は,形式と一部の用法が類似していることから対照研究が行われてきており,
既に「-ㄴ것이다(-n kesita)」は「のだ」に比べて使用範囲が狭く,使用 頻度も少ないと指摘されている。
そして,両形式は,用法別に対応と非対応が指摘されてはいるが,まだその出現環境の違いと原理が十分に明らかにされたとは言えない。
 本発表では,平叙文での両形式の対応のずれが「情報の書き換え」と非「情報の書き換え」(新情報伝達)という視点を用いることによって,統一的に説明できることを示す。
そして、両形式の対応関係を明らかにすることによって、「-ㄴ것이다(-n kesita)」と「のだ」の双方向の教育の役に立つことを目標とする。
 なお,小説の地の文等では対応が異なるため,本発表は会話文の「-ㄴ것이다(-n kesita)」と「のだ」を扱うこととする。

 ◎発表3:張美仙(九州産業大学非常勤講師)「現代韓国語のアスペクト形式の教授方法」 ―日本語の「シテイル」と対照して-
 発表要旨
 日本語母語話者の韓国語学習において「하고 있다」形の過剰使用は、形態的によく似ている日本語の「シテイル」形の影響であろうと考えられる。
 本発表では「하고1 있다」形と「한다」形、「하고2 있다」/「해 있다」形と「했다」形がそれぞれの形式に置き換えうることや相違点について考察する。
 まず、韓国語の「하고 있다」形、「해 있다」形が日本の韓国語教材においてどのように記述されているのかを考察した後、
既存の文法研究で得られた結果を基に、「하고 있다」形、「해 있다」の具体的な教授方法を提案する

会場風景

  【臨時総会】
http://jakle.sakura.ne.jp/images/29June14-2.JPG

  【例会発表】
http://jakle.sakura.ne.jp/images/29June14-3.JPG


アクセスマップ

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第63回例会 2014年9月13日(土) 朝鮮語研究会との合同研究会

 -会場:早稲田大学 戸山キャンパス(文学学術院)36号館(5階・6階) 
◎住所:162-8644 東京都新宿区戸山1-24-1 (東西線 早稲田駅 B2出口 徒歩5分)
交通案内・キャンパスマップ

1.午前の部(10時~12時)
 ◎第1会場:36号館581 第二言語習得論分科会 日本の大学生の韓国語履修動機および関心事について(報告者:李和貞(立教大学))
 ◎第2会場:36号館681 類似表現分科会 「-나 보다」についての教育
 ◎第3会場:36号館682 情報処理分科会 学会HPのCALL教材紹介およびHot Potatoesを利用したCALL教材作成の実践

  ◎展示会場:36号館582 書籍展示((株)白水社,(株)アスク出版社,(株)高麗書林,(株)朝日出版社)


2.午後の部(13時~18時)  会場:36号館581号室

◎五十嵐孔一(東京外国語大学大学院准教授)
【タイトル】語学研究と語学教育をつなぐもの

【要旨】本稿は五十嵐孔一(印刷中)を再検討しながら,そこで論じた語学研究と語学教育との接点を改めて考えてみるものである。両者はそれぞれ強いつながりを持つべきものであるはずだが,実際に両者の接点を見つけるのは案外に困難である。もし両者を効果的につなげるとしたら,それらをつなぐ媒介となるものを見出すことが必要となるであろう。五十嵐孔一(印刷中)ではそれをテクストと考えたのである。本稿では文の上位単位をテクストと呼んで検討を進めた。 この検討の背景には次の2つの経緯がある。まず,李姫子・李鍾禧(2006)/五十嵐孔一・申悠琳(共訳)(2010)での作業である。これは韓国語の語尾助詞辞典を日本語に翻訳したものだが,約5,800個の例文それぞれに異なるテクストがあること,そして1つの例文を訳すごとに適切なテクストが必須であることを経験的に確認した。そして五十嵐孔一(2014)ではテクストのまた1つの実際的な運用面として,「いわゆる文法と,語学教育における文法つまり用法とをテクスト論で結びつける」ことを述べた。このような経緯を踏まえつつ,語学研究と語学教育とをテクストでつなぐことを試みた。

◎金恵珍(東京外国語大学博士後期課程)
【タイトル】일본어 부사 「ただ」와 한국어 부사「그냥」의 한국어 교육을 위한 의미 기능 대조 연구

【要旨】본 연구는 한국어 교육의 관점에서 일본어 부사 “ただ”와 한국어 부사 “그냥”의 의미 기능을 담화적・화용론적 사용을 고려하여 대조 분석함으로써, 두 언어에서의 부사의 용법을 실제 코퍼스 용례를 통해 밝혀, 학습자에게 유용한 자료를 제공하는 것을 목적으로 한다.  한국어의 “그냥”의 용법은 매우 다양한데, 이러한 다양한 용법을 알지 못하는 일본인 학습자는 “그냥”을 모국어의 정보에 기대어 제약된 용법으로만 사용할 우려가 있으며, 심지어는 화자의 의도를 올바르게 파악하지 못해 오해를 낳을 수도 있다. 그러므로 일본인 학습자가 “그냥”의 다용한 용법을 파악하기 위해서는 “그냥”의 다양한 결합 정보가 제시될 필요가 있을 것이다.  그러므로 본 연구에서는 일본어 부사 “ただ와 결합하여 높은 빈도로 나타나는 동사와 한국어 부사 “그냥”과 결합하여 높은 빈도로 나타나는 동사를 조사하고, 각각의 코퍼스 용례 분석을 통해 “ただ”와 “그냥”의 공통적인 용법과 상이한 용법을 보았다. 대체로 일본어 부사“ただ”는 한국어 부사 “그냥”에 대응되며 그 용법도 유사한 반면에, 한국어 부사 “그냥”은 일본어 부사 “ただ”와 높은 빈도로 결합하는 동사와 확연하게 다르게 나타났을 뿐만 아니라 용법에서도 차이가 있음을 살펴볼 수 있었다.

休憩(20分)

◎南潤珍(東京外国語大学大学院准教授)
【タイトル】어휘 항목의 내적 특성을 반영한 한국어 교육용 어휘 목록 연구

【要旨】본 연구는 한국어 학습 및 교육의 실천적 자료로서 한국어 교육용 어휘 목록이 가지는 유용성에 주목하여 일본어 모어화자의 한국어 학습에 필요한 어휘 목록 작성의 방향성 및 과제를 검토하는 것을 목표로 한다. 기존의 한국어 교육용 어휘 목록에서는 한국어 사용 빈도와 사용 범위를 기준으로 한 어휘 선정 및 등급화가 이루어지고 있다. 그런데 실제로 이들 어휘 목록을 활용하기 위해서는 발음, 형태, 통사, 의미, 화용 등 언어의 제반 부문에 있어서 드러나는 각 어휘의 내적 특성에 대한 명시적인 지식이 제공되어야 한다. 또한 어휘의 등급화에 있어서도 빈도 및 사용 영역 뿐 아니라, 어휘 습득을 위해 필요한 학습 항목의 많고 적음, 난이도 등이 반영되어야 한다. 어휘의 외적 특성에 주목함으로써 객관성과 타당성이 확보된 기존의 어휘 목록에 어휘 내적 특성을 반영하여 그 내용과 등급을 재조정함으로써 활용도와 정밀도를 높이는 방안이 강구되어야 하는 것이다. 이를 위해 본 발표에서는 2011년 한국의 국립국어원에 제출된 『국제 통용 한국어 교육 표준 모형 개발 2단계 보고서』의 어휘목록을 대상으로 각 어휘 항목의 내적 특성을 기술하고 등급을 조정하는 작업의 결과와 문제점을 소개하여 한국어 교육용 어휘 목록 작성의 방향성을 타진하고자 한다

◎崔銀景(関西学院大学博士後期課程)
【タイトル】外国語教育におけるコードスイッチング(2言語使用)―日本国内での韓国語教育を中心に―

【要旨】現在日本国内の英語教育現場では目標言語(Target Language, 以下TL)のみで授業をすることが盛んである。しかし、TLのみを使用することは学習者のTLに対するインプットの量を上げる分、認知的負荷および心理的不安・抵抗も上げると報告されている(Takano&Noda,1993)。 Krashen(1982)は、理解可能なインプット(Comprehensible input)という概念を述べ、インプットの量だけでなく質も重要だと主張した。学習者のレベルに合ったTLのインプットを与えることでTL使用の量を減らせ、学習者の負荷および抵抗を軽減する方法として外国語教育ではコードスイッチング(Code-Switching, 以下CS)が提示されている(Macaro,2005)。  本研究は理論的背景と現状調査の実施をもって、韓国語教育におけるCS活用の提案を目標とするが、修士論文から学習者がCS自体に対して抵抗を持っている可能性が提起されている。そのため、事前調査として学習者のCSに対する抵抗を調べ、CSをより効果的に使用する方法を考察する。

懇親会 時間(19時~), 「にっこりマッコリ」高田馬場駅前(会費:一般3000円,学生・院生2500円)

会場風景

  【例会発表1】
http://jakle.sakura.ne.jp/images/13Sep2014-1.JPG

  【例会発表2】
http://jakle.sakura.ne.jp/images/13Sep2014-2.JPG

  【例会発表3】
http://jakle.sakura.ne.jp/images/13Sep2014-3.JPG

  【例会発表4】
http://jakle.sakura.ne.jp/images/13Sep2014-4.JPG

  【例会発表5】
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第64回例会 2014年12月21日(日)

 -会場:同志社大学 寒梅館 
◎住所:京都市上京区 烏丸通今出川上る (地下鉄烏丸線 今出川駅 2番出口 徒歩5分)
アクセスマップ

1.午前の部(10時~12時)
 ◎第1会場:寒梅館2A 言語習得論分科会
 ◎第2会場:寒梅館2B 情報処理分科会
 ◎第3会場:寒梅館2C 類似表現分科会

2.午後の部(13時~18時)会場:201講義室
 ◎斉藤信浩(九州大学留学生センター)
  【タイトル】日本人は中国人より韓国語の習得が得意?
  일본인은 중국인보다 한국어 습득에 능숙한가?

  【要旨】韓国語を学習している中国語母語話者(CNS)と日本語母語話者(JNS)の文法習得にはどのような差が生じるのだろうか。本研究は、CNS83名とJNS61名に語彙能力テスト(斉藤2014)と文法能力テストを行い、その習得の差を比較するものである。文法能力テストには、形態素変化、局所依存、構造の複雑性の3つの下位項目が設定されており、これらの3項目の差を検証する。被験者の平準化のために語彙能力テストの得点によってペアーマッチサンプリングを行い43対の被験者を設け、上位群と下位群に分類した。次に、母語別、上/下位群のそれぞれの群ごとに文法項目の得点を独立したサンプルのt 検定によって分析した。その結果、活用や助詞などのような韓国語と言語間距離の遠いと考えられるCNSの得点がJNSの得点との間で有意差が見られず、JNSがCNSよりも文法習得において有利だという傾向が観察されなかった。本研究はJNSとCNSの韓国語の文法習得に対するパイロット的な証拠を提供する。

 ◎小島大輝(九州大学)
  【タイトル】韓国語の「NP로의 NP」構成について
  한국어의 ‘NP로의 NP’ 구성에 대하여

  【要旨】韓国語の助詞は文中で多様な分布を見せ、二つの異なる助詞が連続することも少なくない。例えば、冠形格助詞が副詞格助詞に連なると、その助詞の意味を保ったまま、後の語を修飾することができる(李姫子・李鍾禧2010, 韓国・国立国語院2012)。このような現象は、副詞格助詞が「로」の場合にも観察され、名詞句に「로」が結合し、さらに「의」が結合して直後の名詞句を修飾することがある。これは、沈在箕(1979)で言及された「擬似冠形構造(例:조국에의 기대)」と同種のものであり、最近の研究では、이동석(2011)が「副詞語の冠形表現」と呼んでいる。
  従来、このような構成は日本語からの影響を受けた表現であることが知られているが、その文法的特性については、一部の研究を除いてあまり注目されてこなかった。本発表では「NP로의 NP」構成を分析対象とし、助詞のこのような分布が可能となる場合の特徴について、修飾語・被修飾語となる二つの名詞句の関係性を通じて検討する。

 ◎中西恭子(京都女子大学)
  【タイトル】語幹末ㅎの音価について
  어간말 ㅎ의 음가에 대하여

  【要旨】発表要旨:現行の「標準発音法」は消極的な表現ながらもㅎの終声を/ㄷ/と定めている。これに従うなら、例えば좋습니다は[졷씀니다]となるはずである。しかし同法は別項で、ㅅが後続した場合、例えば닿소であれば[다쏘]になると例示しており、これにより좋습니다は[조씀니다]となる。また、現代韓国語では語末にㅎをもつ語は히읗のみで、それさえ이が後続すると[히으시]となる(디귿, 지읒, 치읓, 티읕についても同様)ため、終声ㅎの指導は矛盾を内包した説明にとどまらざるを得ないのが現状である。本研究は、ㅎの終声が本当に/ㄷ/なのかという問題意識から出発し、日韓の音韻論・音声学の先行研究をもとにその音価について考察することを一義的な目的とするが、あわせてㅎ終声の適切な指導法も探ってみたいと思う。

3.懇親会(18時15分~20時15分)
京都駅前酔心(地下1F)
参加者 18名


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