2024-12-25 (水) 02:59:10 【照会総数】620025 (本日:6)
朝鮮語教育学会へようこそ!!
本会は,朝鮮語教育の発展に資する研究のために、1999年3月20日に朝鮮語教育研究会の名称で設立され、2014年7月1日に名称を朝鮮語教育学会(Japan Society of Korean Language Education, 略称:JaSKLE)と改めました。
2015年10月30日付で、日本学術会議協力学術研究団体として登録されました。学会名鑑もご覧ください。
【한국어판】
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当日,来場された方につきましては,申請をしていなかった方でも,会場で受付しますので,ぜひ,ご来場ください
総合司会:小島大輝(近畿大学)
13:00〜 開場
13:15〜13:25 世話人会報告
進行:須賀井義教(近畿大学・朝鮮語教育学会会長)
研究発表
13:30〜14:15 発表1
岡村佳奈(立教大学)
「別れにおいて現れる定型的あいさつの日韓対照 ーロールプレイ調査による談話データからー」
「작별 시 나타나는 정형적 인사의 한일 대조ー역할극 조사를 통한 담화 자료를 중심으로ー」
司会:呉映玟(立命館アジア太平洋大学)
14:20〜15:05 発表2
立川真理恵(東京大学博士課程)
「韓国絵本の難易度判定基準に関する考察―使用語彙の等級とテキストの読みやすさとの関係に着目して―」
「한국그림책난이도판정기준에관한고찰ー사용어휘의등급과본문의가독성에주목하여ー」
司会:呉映玟(立命館アジア太平洋大学)
15:10〜15:55 発表3
奈良美香(下関市立大学他)
「学生主導による読解授業の実践報告―アクティブラーニング形式による読解授業の試みを通してー」
「학습자주도의한국어읽기수업사례보고ー액티브러닝을활용한수업운영을중심으로ー」
司会:呉映玟(立命館アジア太平洋大学)
16:05〜16:50 発表4
陳仙雅(東京外国語大学博士前期課程)
「在日コリアン大学生によるコードスイッチングの機能的分析」
「재일한국인대학생의코드스위칭에관한기능적분석」
司会:朴鐘厚(獨協大学)
16:55〜17:40 発表5
洪妍定(神田外国語大学)・高優美(京都女子大学)
「談話分析の観点を考慮した韓日・日韓並列シナリオコーパスの構築」
「맥락분석의관점을고려한한일/일한병렬준구어말뭉치의구축」
司会:朴鐘厚(獨協大学)
要旨
岡村佳奈(立教大学)
これまで日韓のあいさつについては、 アンケート調査やドラマ分析を通じて、1つか2つの発話文を対象に日韓対照が行われてきた。そして、日本語では韓国語よりも定型化した表現(以下、定型的あいさつ)が多用されると言及されてきた。定型的あいさつについては、使用頻度以外の日韓差があるかは、いまだ不明であるが、文、あるいは発話文のレベルから談話レベルへと分析範囲が広がった昨今、発話文ではなく、談話という大きな視点から見直せば、これまで指摘されてこなかった定型的あいさつに関する日韓の異同を明らかにできる可能性がある。筆者は、このような問題意識により、2人1組によるロールプレイ調査を実施し、対面会話の談話データ(日本語: 144談話、韓国語: 136談話)を収集した。本発表では、調査結果のうち、日本語・韓国語母語話者が、別れの場面においてどのような定型的あいさつをどの程度用いるのか述べるとともに、その様相に関する日韓の異同を量的・質的に調べた結果を示す。
要旨
立川真理恵(東京大学博士課程)
本研究では絵本を活用した読解学習の有効性を検証するために、「韓国の文化・生活・価値観」を主題に含む韓国絵本10冊を選定し作品別語彙分布を調査した。まず、絵本本文の品詞分析を行い実質語彙の出現頻度を求めた後、特に「一般名詞・動詞・形容詞・副詞」に該当する語に対して「한국어 교육 어휘 내용 개발 4단계」(국립국어원,2015)のデータに基づいて難易度情報を付与した。調査の結果、全体的に初級語彙が占める割合が高いものの、作品別に概観すると難易度分布にばらつきが見られた。また、 국립국어원(2015)のデータにない「無等級語彙」をどう扱うべきかという課題にも直面した。このうち「하다動詞・複合語」は接続語幹や語尾の難易度情報に基づいて再分類を試みることは可能だが、専門用語や文化語彙はレベル判定が難しい。更に絵本という資料の特性上、難解な語に直面しても絵から語の意味を類推できる場合もある。絵本の難易度判定基準を設けるには、今後このような問題を総合的に検討していく必要がある。
要旨
奈良美香(下関市立大学他)
本発表は、日本語を母語とする中・上級レベルの韓国語学習者の読解力向上を目的として、学生が主体的・自律的に読解授業に取り組むアクティブラーニング形式を導入した試みの実践報告である。大学の韓国語読解のクラスでは、教員が読解内容を選択し、語彙や文法の説明後に、学生が内容理解のための設問を解くという従来型の授業展開が一般的だといえる。現状の受け身的な学習方法ではなく、学生が主導となり読解授業に取り組むことでより効果的な学習成果が得られるのではないかと考え、授業で実践した。中・上級レベルの韓国語学習者を対象にした読解問題を学生が主導となり、「読解内容選択→ 練習問題作成→ 発表→ 他者による評価」までの課題を授業で試みた。その課題の事例紹介及び授業終了後に実施した振り返りシート結果について分析し報告したい。
要旨
陳仙雅(東京外国語大学博士前期課程)
本発表は、朝鮮大学校に在籍する在日コリアンを対象とし日本語を基盤とする会話の中で朝鮮語に切り替えるコードスイッチング (以下CS) 現象について扱う。また、朝鮮大学校に在籍する在日コリアンの実際の会話データを元に、CSが会話の中でどのような機能を果たすのかについて明らかにすることに目的がある。往来CSに対する研究は、主に会話の場面や活動、会話の相手がCSの使用にどのような影響を及ぼしているかについて明らかにする、マクロ的視点の研究がほとんどであった。そのため、自然会話で現れたCSの機能に関するミクロ的視点による研究が圧倒的に少ないという課題が存在する。そこで、朝鮮大学校に通う16名の在日コリアンの大学生を対象とし、2人1グループでの20分間に渡る会話を録音した。その結果、大きく「内容的機能」、「感情の表示機能」、「談話構造的機能」、「社会的機能」の4つの機能が観察され、在日コリアンとしてのアイデンティティを共有する「社会的機能」が多く現れることがわかった。
要旨
洪妍定(神田外国語大学)・高優美(京都女子大学)
本研究は談話分析の観点から韓日・日韓並列コーパスの構築と教育への活用についての提案を試みることを目的とする。現在公開されている韓日コーパスは、口語の資料が少なく、検索が容易ではないため、コミュニケーション能力の向上を目的とする言語教育には活用が難しい。そこで、本発表ではまず、これまでの並列コーパスの構築の現状を踏まえて、映画とドラマのシナリオを対象とし(日韓6編、韓日6編)、文脈情報(会話参加者の性別、年代、親密性、ジャンル等)を施した並列コーパスの構築とその過程について説明を行う。最後に韓国語教育への活用について提案する。これにより、二言語間の対応関係の要因を言語要素に限定するだけでなく、社会文化的な要素にも視野を広げての考察が可能であり、また、その結果をコミュニケーション能力の向上を目標とする言語教育の場において存分に利用できることが期待される。
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松崎真日研究室気付 朝鮮語教育学会事務局
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