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活動記録(2023年)


第92回例会 2023年3月4日

ご参加の際は,対面・オフラインを問わず,以下のフォームからお申し込みください.

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>>>会員用  例会参加申込フォーム https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScVdQ3hL_-hKKv-Gt7x3XKzEKng1z3AnlIVixi3eVOcjp6EJg/viewform

>>>非会員用 例会参加申込フォーム https://peatix.com/event/3490181

当日,来場された方につきましては,申請をしていなかった方でも会場で受付しますので,ぜひご来場ください.

プログラム

研究発表

<発表要旨>

これまで日韓のあいさつについては、アンケート調査やドラマ分析を通じて、1つか2つの発話文を対象に日韓対照が行われてきた。そして、日本語では韓国語よりも定型化した表現(以下、定型的あいさつ)が多用されると言及されてきた。定型的あいさつについては、使用頻度以外の日韓差があるかは、いまだ不明であるが、文、あるいは発話文のレベルから談話レベルへと分析範囲が広がった昨今、発話文ではなく、談話という大きな視点から見直せば、これまで指摘されてこなかった定型的あいさつに関する日韓の異同を明らかにできる可能性がある。筆者は、このような問題意識により、2人1組によるロールプレイ調査を実施し、対面会話の談話データ(日本語:144談話、韓国語: 136談話)を収集した。本発表では、調査結果のうち、日本語・韓国語母語話者が、別れの場面においてどのような定型的あいさつをどの程度用いるのか述べるとともに、その様相に関する日韓の異同を量的・質的に調べた結果を示す。

<発表要旨>

本研究では絵本を活用した読解学習の有効性を検証するために、「韓国の文化・生活・価値観」を主題に含む韓国絵本10冊を選定し作品別語彙分布を調査した。まず、絵本本文の品詞分析を行い実質語彙の出現頻度を求めた後、特に「一般名詞・動詞・形容詞・副詞」に該当する語に対して「한국어 교육 어휘 내용 개발 4단계」(국립국어원,2015)のデータに基づいて難易度情報を付与した。調査の結果、全体的に初級語彙が占める割合が高いものの、作品別に概観すると難易度分布にばらつきが見られた。また、국립국어원(2015)のデータにない「無等級語彙」をどう扱うべきかという課題にも直面した。このうち「하다動詞・複合語」は接続語幹や語尾の難易度情報に基づいて再分類を試みることは可能だが、専門用語や文化語彙はレベル判定が難しい。更に絵本という資料の特性上、難解な語に直面しても絵から語の意味を類推できる場合もある。絵本の難易度判定基準を設けるには、今後このような問題を総合的に検討していく必要がある。

<発表要旨>

本発表は、日本語を母語とする中・上級レベルの韓国語学習者の読解力向上を目的として、学生が主体的・自律的に読解授業に取り組むアクティブラーニング形式を導入した試みの実践報告である。大学の韓国語読解のクラスでは、教員が読解内容を選択し、語彙や文法の説明後に、学生が内容理解のための設問を解くという従来型の授業展開が一般的だといえる。現状の受け身的な学習方法ではなく、学生が主導となり読解授業に取り組むことでより効果的な学習成果が得られるのではないかと考え、授業で実践した。中・上級レベルの韓国語学習者を対象にした読解問題を学生が主導となり、「読解内容選択→練習問題作成→ 発表→ 他者による評価」までの課題を授業で試みた。その課題の事例紹介及び授業終了後に実施した振り返りシート結果について分析し報告したい。

<発表要旨>

本発表は、朝鮮大学校に在籍する在日コリアンを対象とし日本語を基盤とする会話の中で朝鮮語に切り替えるコードスイッチング (以下CS)現象について扱う。また、朝鮮大学校に在籍する在日コリアンの実際の会話データを元に、CSが会話の中でどのような機能を果たすのかについて明らかにすることに目的がある。往来CSに対する研究は、主に会話の場面や活動、会話の相手がCSの使用にどのような影響を及ぼしているかについて明らかにする、マクロ的視点の研究がほとんどであった。そのため、自然会話で現れたCSの機能に関するミクロ的視点による研究が圧倒的に少ないという課題が存在する。そこで、朝鮮大学校に通う16名の在日コリアンの大学生を対象とし、2人1グループでの20分間に渡る会話を録音した。その結果、大きく「内容的機能」、「感情の表示機能」、「談話構造的機能」、「社会的機能」の4つの機能が観察され、在日コリアンとしてのアイデンティティを共有する「社会的機能」が多く現れることがわかった。

<発表要旨>

本研究は談話分析の観点から韓日・日韓並列コーパスの構築と教育への活用についての提案を試みることを目的とする。現在公開されている韓日コーパスは、口語の資料が少なく、検索が容易ではないため、コミュニケーション能力の向上を目的とする言語教育には活用が難しい。そこで、本発表ではまず、これまでの並列コーパスの構築の現状を踏まえて、映画とドラマのシナリオを対象とし(日韓6編、韓日6編)、文脈情報(会話参加者の性別、年代、親密性、ジャンル等)を施した並列コーパスの構築とその過程について説明を行う。最後に韓国語教育への活用について提案する。これにより、二言語間の対応関係の要因を言語要素に限定するだけでなく、社会文化的な要素にも視野を広げての考察が可能であり、また、その結果をコミュニケーション能力の向上を目標とする言語教育の場において存分に利用できることが期待される。

* 閉会挨拶


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Last-modified: 2023-06-19 (月) 19:07:26